TMS治療とは
TMS治磁気刺激によって神経回路のバランスを整える、非侵襲的な脳治療です
rTMS(経頭蓋磁気刺激:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)は、神経精神疾患の治療に用いられる非侵襲的な治療法です。頭文字の “r” を省略して、TMS治療と呼ばれることもあります。
この治療では、「8の字コイル」と呼ばれる特殊なコイルを使い、頭部の外側から大脳皮質に繰り返し磁気刺激を与えることで、神経回路の可塑性を促し、脳の機能をより適切なバランスへと整えていきます。
MRIと同様の原理を使った安全な磁気による治療であり、頭皮を切開したり、電気を直接流すといった処置は行いません。
治療中は、「ゴムで軽くはじかれるような刺激」を感じることがありますが、刺激の感じ方には個人差があり、多くの方は数回の治療で慣れていきます。
TMS治療の安全性と可能性
副作用のリスクが低く、身体への負担も少ない治療法です
TMS治療は、薬を使わずに脳に働きかける治療法のため、副作用が少なく、身体への負担も軽いのが特長です。
そのため、薬が合わない方や、服薬に不安のある方にもご検討いただきやすい治療法です。うつ病、強迫症、PTSDに対する有効性は厚生労働省にも認められており、近年では脳卒中後のリハビリやコロナ後遺症への応用など、研究の幅も広がっています。
副作用のリスクが低いとされていますが、ごくまれに以下のような症状が見られることがあります。安全に治療を行うためにも、事前の診察と確認を大切にしています。
【TMS治療でみられることがある副作用】
◆軽度の頭痛や頭皮の違和感
◆筋肉のけいれんやピクつき(刺激部位周辺)
◆一時的な疲労感や眠気
※多くは軽度で一過性のものとされています。
TMS治療は確立してから十数年が経過していますが、まだ発展途上の治療法であり、将来的にどのような副反応が起こる可能性があるかについては、現時点でははっきりしていません。
そのため、確認されていない長期的な影響の可能性も含めて、慎重に考える必要があります。
当院では、こうした点も踏まえた上で、医師が診察を行い、患者さまの状態やご希望に応じて、治療が適しているかどうかを判断しています。
【極めてまれではあるものの、重篤になりうる副作用】
てんかんや脳卒中の既往がある方にTMS治療を行うと、3万セッションに1回の確立でけいれん発作を起こすと言われています。
当院ではけいれん発作が万が一発生した場合は速やかにスタッフが安全を確保し、医師の診察の上で、治療継続の可否を判断します。
【TMS治療を受けられない可能性がある方】
◆頭部に金属が入っている方(例:脳動脈クリップ、深部脳刺激装置など)
◆ペースメーカーやインプラントなど、体内に医療機器が入っている方
◆てんかん発作の既往がある方
◆妊娠中の方 など
再発リスクを減らしたい方へ
長期的な改善と再発予防への期待
TMS治療は2008年にアメリカでうつ病治療として承認され、日本では2019年に保険適用が認められました。
⚠当院では保険診療対象外です。
近年は、脳卒中後のリハビリ分野でも応用が進んでおり、医療現場での活用が広がっています。
うつ病に対するTMS治療は、再発リスクの低下や、一部の研究では6か月以上改善が持続したと報告されております。
脳の回路が変化することで、症状の改善が長く続く可能性があり、再発予防の点でも注目されています。
安心して治療を受けていただくために
治療開始までの流れ
【1】お電話もしくはLINEお問い合わせ・ご予約
まずはお電話もしくはLINEにて、ご予約またはご相談ください。初回のご来院日時を決定します。
【2】問診・ヒアリング
医師が現在の症状やお悩み、治療歴などを丁寧にお聞きし、TMS治療が適しているかどうかを判断します。
気になること等なんでもお気軽にお話しください。
【3】QEEG(定量的脳波検査)検査(ご希望の方)
より精度の高い治療プランをご希望の方には、定量的脳波検査(QEEG)を実施することが可能です。
※ご希望の方にのみご案内しております。
【4】治療スケジュールのご提案
問診・ヒアリングをもとに、症状やライフスタイルに応じて、最適な治療回数・頻度をご提案いたします。
初めての方には「体験コース(2回)」をご用意しています。
TMS治療に対して不安や疑問をお持ちの方にも、安心して治療を始めていただけるよう、まずは気軽にお試しいただける体験
コース(2回)をご用意しています。
治療の感覚やご自身に合うかどうかを確認してから、本格的な治療を検討いただけます。
【5】TMS治療の開始
リラックスした雰囲気の中で、TMS治療を行います。治療時間は1回につき数分〜20分程度です。
TMS治療の頻度と期間
効果を高めるためには、一定期間に集中して治療を行うことが大切です。
TMS治療では、一定の期間内に継続して治療を受けることが、脳神経ネットワークへの働きかけを強め、治療効果の安定につながると考えられています。 当院では、患者さまのご希望や生活リズムに合わせながら、最適な治療ペースをご提案しています。
一人ひとりに合わせた通院・治療スタイルを大切にしています
通院と治療のペースは、患者さんのご希望を伺いながら一緒に考えていきます。
【治療頻度と期間の目安】
治療効果を高めるために、週に3〜5回の通院を、2〜4週間続ける治療をおすすめしています。
1回の施術時間は数分〜20分程度と短く、日常生活にも取り入れやすい点が特長です。
【効果の現れ方には個人差があります】
TMS治療の効果を実感するタイミングには個人差があり、5〜6回で効果を実感する方もいれば、15回を過ぎた頃から改善を感じる方もいます。
これを考慮したうえで、当院ではまず16回のコースを基本プランとしてご用意しています。
【患者さまに合わせた柔軟な対応】
お仕事や生活リズムに合わせて、通院頻度や治療計画は柔軟に調整可能です。
状況に応じて、まずは体験コース(2回)をご案内することも可能です。
治療の感覚や反応を見たうえで、継続の有無をご検討いただけます。
また、治療中は4回に1回を目安に医師による診察を実施し、効果の確認や治療内容の調整を行います。
QEEG(定量的脳波検査)で、
より効果的なTMS治療へ
脳の状態を“見える化”して、治療の精度を高めます。
TMS治療は、脳神経のネットワークに働きかける治療法です。
当院では、より効果的に治療を行うための補助として「QEEG(定量的脳波検査)」を導入しています。
QEEGでは、脳の電気的活動を数値化し、個々の脳の状態を可視化します。
このデータをもとに、以下のような形でTMS治療をサポートしています。
・治療前に脳の活動バランスや神経ネットワークの状況を把握
・TMS刺激の位置や強度の検討材料として活用
・TMS治療の開始前に、脳の状態をより深く理解することで、個別性を重視した治療計画の立案に役立てています。
※QEEGは、あくまで脳の状態を把握するための補助的な検査であり、診断を目的とした医療行為ではありません。